皆さん、こんにちは。毎日のお仕事、本当にお疲れ様です。
ふと、こんな風に思うことはありませんか?
「毎日こんなに忙しくて残業までしているのに、なぜか成果が出ない」
「タスクをこなすだけで1日が終わり、自分が成長している気がしない」
もし少しでもドキッとした方がいたら、この記事はまさにあなたのためのものです。
今回ご紹介するのは、安宅和人さんの著書『イシューからはじめよ』です。この本は単なる仕事術の本ではありません。「知的生産のシンプルな本質」が書かれたビジネス書のロングセラーです。
この本に書かれている「ガムシャラな努力をやめて、圧倒的な成果を出すための思考法」を身につければ、あなたの働き方は劇的に変わります。
今回は、この本から学べる重要なポイントを3つに絞って解説し、明日から使える具体的なアクションプランまでご紹介します。
1. 問題を「解く」前に「解くべき問題」を見極める

仕事において多くの人は、上司から振られた仕事や目の前のトラブルに対して、すぐに「どうやって解決しよう?」と考え始めてしまいます。
しかし、著者はこれを否定します。
バリュー(価値)のある仕事とは、「イシュー度」と「解の質」が高い仕事のことです。
ここで言う「イシュー」とは、「今、本当に答えを出すべき問題」を指します。
実は、世の中にある問題のほとんどは、今すぐ解く必要がなかったり、解いたところで大した成果につながらないものばかりなんです。間違った問題に対してどんなに素晴らしい解決策を出しても、ビジネスとしての価値はゼロです。
だからこそ、まずは「これって本当に今やるべきこと?」と疑い、本質的な問題、つまり「イシュー」を見極めることから始めなければなりません。いきなり作業に入るのではなく、まず「何を解くか」を特定することが最重要ステップなのです。
2. 99%の人が陥る「犬の道」に入ってはいけない

これが本書で最も耳が痛い話かもしれませんが、非常に重要な概念です。
成果を出そうとして、「とにかく量をこなす」「一心不乱に働く」というアプローチを取ることを、著者は「犬の道」と呼び、やってはいけないことだと断言しています。
私たちはつい、「質を高めるためには、まずは量をこなさなきゃ」と思いがちですよね。しかし、イシュー度(やる意味)が低い仕事をどれだけ大量にこなしても、疲弊するだけで、決してプロフェッショナルな価値には到達しません。
「長時間労働でカバーしようとするのは、思考停止と同じ」という言葉は強烈です。
プロの世界の鉄則は、勇気を持って「やらないこと」を決め、本当に価値のあるイシューだけに時間を集中させることです。汗水垂らして働くことが必ずしも正解ではない、という事実を受け入れることが、脱出への第一歩です。
3. 「悩む」のではなく「考える」

3つ目のポイントは、日々のデスクワークですぐに意識できることです。
著者は、「悩むこと」と「考えること」は全く別物だと定義しています。
- 悩む: 答えが出ない前提で、ただ同じ場所をぐるぐると回り続けること。
- 考える: 答えが出ると仮定して、論理的に構築していくこと。
仕事をしていて「うーん、どうしよう……」と手が止まっている時、それは大抵「悩んで」いる時間です。残念ながら、悩んでいる時間は何も生み出しません。

著者は、「10分考えて埒(らち)が開かないなら、一度休むか人に聞く」というように、意識的に悩む時間をゼロにして、考える時間を増やすことが大切だと説いています。生成AIが恐ろしい勢いで成長している現在は、「10分考えて埒が開かないなら、AIに聞く」と言い換えてもよいですね。
「悩む」という行為を「一生懸命考えている」と勘違いしてはいけません。時間を区切って、前に進むための思考に切り替える潔さが求められます。
AI時代の今こそ響く!明日から使えるアクションプラン
ここまでは『イシューからはじめよ』の要点をお話ししましたが、ここからはソースの内容を深掘りして、私なりの考察と明日から使えるアクションプランをご提案します。
なぜ今、この本が必要なのか?

私自身、この本の内容を知ってハッとしたのは、「今の時代だからこその重要性」です。
AIが進化し、答えを出すスピードは人間よりもAIの方が圧倒的に速くなりました。「どうやるか(How)」の部分は、AIが助けてくれる時代です。
でも、「何を解くべきか(What)」、つまりイシューを見つけることは、まだ人間にしかできない最も価値のある仕事だと言えます。AIに指示を出すためにも、「解くべき課題は何か」を見極める力は、これからの時代、ますます必須スキルになっていくでしょう。
明日から実践!「紙とペンで5分止まる」

では、具体的にどうすればいいのでしょうか? 提案したいアクションプランはこれです。
「作業を始める前に、紙とペンを持って5分だけ止まること」。
PCを開いてすぐに資料を作り始めるのではなく、まずは紙に書き出してみてください。
- 自分が解こうとしている課題は何か?
- その課題が解決したら、誰がどう喜ぶのか?
- そして、本当にこれが一番重要なことか?
これらを自問自答するのです。
さらに、仮説を立てることも重要です。「たぶん答えはこうなるだろう」というスタンスを持ってから情報収集をする。これだけで、情報の海に溺れることがなくなり、仕事のスピードは格段に上がります。
「とにかくやってみる」という熱意は素晴らしいですが、そこに「イシューを見極める」という冷静さをプラスすることで、あなたの努力はもっと報われるようになります。
まとめ:迷路から抜け出す地図を手に入れよう

『イシューからはじめよ』は、忙しい現代人にとって、終わりのない仕事の迷路から抜け出すための「地図」のような一冊です。
もし、あなたが「いつも時間が足りない」「頑張っているのに評価されない」と感じているなら、一度立ち止まって問いかけてみてください。
「今、自分は『犬の道』を歩いていないか?」
それだけで、明日からの景色が少し変わって見えるかもしれません。
皆さんは、普段の仕事で「やらないこと」を決めていますか?
ぜひ、この本を手に取って、本質的な成果を出すための思考法をインストールしてみてください。無駄な苦労から解放され、仕事の楽しさを再発見できるはずです。


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