「星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書」を読んだ感想

「星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書」を読んだ感想 読書
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なんで、この本を買ったのか?

「同族経営」って聞くと「古くて風通しの悪い組織」っていう先入観が強かくないですか?でもホテル業界で躍進を続けてる星野リゾートの社長が「ファミリービジネスは強い」っていってて「なにっ!?」っと心惹かれました。今作ってるビジネスの1つがファミリービジネスに近い形で伸ばしていこうとしてるし、参考になるかなーとも期待しつつポチりました。

 

 

定期的かつ強制的に改革が起きるから強い

星野さんが語るファミリービジネスの強さの1つは、「30年に一度のビジネスモデル転換システムがビルトインされていること」です。何のことかというと、親から子への世代交代のタイミングで必ず革新が起きるというものです。「小さいころからずっと見てきた親のやってきたことを継続することに対する反発心」だったり「親の時代には通用してた事業ややり方が時代遅れになってどうしようもないから」だったり、きっかけは十人十色。

でも、共通して言えることは30年くらいしたら後継者(子供や親族のケースが多い)に代替わりが起こり、そのタイミングで事業の革命が起こりやすくなっている、ということ。この分析はすごく的を得ていると感じた。

その反対の「サラリーマン社長が経営する会社では革新が生まれにくい」という理由もわかりやすい。サラリーマン社長って任期も短かったりするし、自分の代で下手こきたくないから守りの経営に入ってしまいがち。この差が生まれるのは、ファミリービジネスに付き物の「オヤジのやり方は古いんだよ!俺が(私が)変えてやる!」みたいなメラメラした感情の有る無しでしょうね。

トヨタの現在の社長である豊田章男氏が次々とブレイクスルーを起こせているのも創業一族出身というのもあるかもなぁ、と。MBA取ってアメリカの投資銀行でバリバリ働いてたのを辞めてトヨタに入るって決断したとき、父親から「章男を部下に持ちたいと思う人間は今のトヨタにはいない」って言われたら「なにくそっ!」って燃えますよね。

 

 

大塚家具の久美子社長の苦悩

この本の後半はファミリービジネスの経営者と星野さんの対談がまとまってます。中でも、前社長の父親とバチバチに争って経営権を握った久美子社長は当時大々的にニュースにもなっていたし興味深く読みました。

対談からは、ニトリ、イケアが台頭する中で、大塚家具がどういった立ち位置に進むのか悩んでる様子が垣間見えた。実際、僕は大塚家具は、久美子社長に変わってニトリ、イケアのような路線で売っていくつもりなんだと思ってた。でも対談を読むとそうではないらしい。この時点で、企業として明確なメッセージを発信できてない(もしくは不十分)とわかる。

僕も彼女と今年の5月から一緒に暮らし始めるけど、家具はニトリで買う予定。大塚家具から刺さるメッセージが届いてたら選ぶかもなんだけど、今のところ「お値段以上。」の方がグッと来てる。ヤマダ電機と提携して、ヤマダホームの家具を供給することになった大塚家具。がんばれ!

 

 

星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書

ファミリービジネスの企業は、そうでない企業よりも収益性もポテンシャルも高い、とか、アメリカのハーバード大学などの名門ビジネススクールが、ファミリービジネスを経営学の一分野として研究してることとか、目からウロコ情報盛りだくさんだった。

「星野佳路と考えるファミリービジネスの教科書」を読んだ感想

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単行本(ソフトカバー): 416ページ
出版社: 日経BP (2019/11/25)
言語: 日本語
ISBN-10: 4296104446
ISBN-13: 978-4296104444
発売日: 2019/11/25

 

現在の同族企業に行き詰まりを感じている方や、親から家業を継いで悪戦苦闘してる方は一読の価値ありです。

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