『スティル・ライフ』を読んだ感想

『スティル・ライフ』を読んだ感想

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バランスが良くとても読みやすい作風

前に読んだ小説が「聖女伝説」だった影響も少なくないんだろうけど、池澤夏樹さんの紡ぐ文章はとても読みやすかった。微炭酸のシュワシュワが心地よいシャンパンを飲んだ気分。具象世界と抽象世界の間を行ったり来たりする感じが心地よかった。

 

佐々井の身軽さが何か素敵なものに見えた

登山用のリュックと中くらいのカバン2つで引っ越しができちゃう佐々井のミニマリストっぷりに、潔さみたいなものを感じた。油断すると所有物とは名ばかりの不要なモノが溜まってしまいがちな自分の暮らしっぷりを見直してみようと思った。

 

現実はどこまで現実なのか?

作品のラストの所の「近接作用も遠隔作用もなくて、ただ曖昧な、中途半端な、偽の現実だけ」という佐々井の台詞が引っかかった。おそらく、半分ちょっと読み終わった「サピエンス全史」のことが頭の片隅にあるからだと思う。「サピエンス全史」はホモサピエンスは、全く知らない他人と虚構を共有できたから地球上でここまでのさばってきた、みたいなのを土台にした人類史。

その中の「ホモサピエンスは食料を巡っての大規模な戦争を起こしたことは一度も無い。戦争のきっかけになるのは、いつだって貨幣・宗教・帝国主義といった幻想に近いもの」みたいなくだりが印象に残ってる。本当に価値があるかどうかなんて定かじゃない、福沢諭吉のプリントされた紙きれに価値を見出してしまう人間。貨幣は便利だし、無いよりは有る方がいいことの方が多かったりする。でも、便利な道具の一つに過ぎない貨幣に人生を振り回され過ぎてないか?そんなことを思った。

 

「ヤー・チャイカ」を読んで、自分でも意外な感情を抱いた

私には娘はいないし、結婚すらしてないんだけど、ヤー・チャイカを読んでて父親目線での感情移入っぷりが凄かった。「娘にはこんな風に育って欲しいなぁ」とか「そろそろ独り立ちしてしまうのか、嬉しさ3割・寂しさ7割」といった感覚が沸々を湧いてきた。なんだか不思議な気分。

こんな感じで、自分でも気づいていない心の扉を開いてくれることがあるから、読書は楽しい。

 

スティル・ライフ(池澤 夏樹)

『スティル・ライフ』を読んだ感想

今年も読書三昧していこうと思います。

 

文庫: 216ページ
出版社: 中央公論社 (1991/12/10)
言語: 日本語
ISBN-10: 4122018595
ISBN-13: 978-4122018594
発売日: 1991/12/10

 

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最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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