『太平洋戦争の大嘘』を読んだ感想

太平洋戦争の大嘘読書
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先日「失敗の本質」を読んで、太平洋戦争あたりに興味を抱いていたところで見つけたのが、この本。「大嘘」というタイトルはなかなかに刺激的。私は今年で40になるけど、今思えば不思議なのが日本史の授業。なぜ縄文時代から学び始めるのか?時系列に沿って勉強するっていうのは、なんとなくわかるけど人生に生かすことを考えると近代史からやるべきなんじゃないかな。

現在の教育体制はよくわからないけど、そんな環境で学んできてるだけに私は近代史弱いです。そういう意識があるからか太平洋戦争まわりのことに対する興味がかなり湧いてます。現在の国際情勢のベースにもなってる部分なので。ということで、やや刺激的な内容が予想されるこの本を読んでみることにしました。

 

 

戦争やりたがりボーイ、ルーズベルト

本書で著者が訴えている「大嘘」というのが次の3つ。

・日米開戦は日本の侵略ではなく、フランクリン・ルーズベルト大統領が仕掛けた
・41年の日米交渉でアメリカの外交目的はほぼ満たされていたのに、ルーズベルトは日本の妥協案を受け入れる気がさらさらなかった
・日本を降伏させるために原爆投下は必要なかった

全体の文章から感じたものは、「太平洋戦争において日本が絶対悪では無かった」ということ。もちろん反省すべき点は多々あるけれど、欧米列強に植民地にされていたアジア諸国の独立という大義名分も嘘ではなさそう。上記の3つのポイントのうちの「ルーズベルト大統領が」っていう2つについては、確かに腹立たしい気もするけど、戦争ってそういうもんなんだろうな、とも思う。どれだけ綺麗事並べようとも、「戦争=短期間で大量に人を殺す行為」に変わりはないから。

ただ、3つめの「日本を降伏させるために原爆投下は必要なかった」という所は、禿同。戦艦もほぼ壊滅状態にされて、物資も石油も無い日本に原爆を落とすとか戦争とはいえ無慈悲すぎる。「新しくできあがった原爆の威力を試してみたい、世界に(特に旧ソ連に)アメリカの軍事力を見せつけたい」そんな想いが先行していたんじゃないかと容易に想像できます。

 

 

「第2次世界大戦なんて、参加しなきゃよかった」イギリス

まぁ、そんなこんなで太平洋戦争について記述された本書内で私が一番面白いなーと感じたのが、大英帝国の没落に関する知見です。7つの海を制していたイギリスは、ソ連とドイツの戦争なんて放置プレイしておけばよかったのに、という話です。イギリスはヨーロッパに植民地があるわけではないので、ドイツがフランスを占領しようが、ソ連がヨーロッパに食い込んでこようが傍観してればよかったんじゃないか説です。

日英同盟解消から日本が欧米相手に展開した戦争は、賛否両論ありますが植民地支配を甘んじて受け入れていたアジア諸国に「俺らも頑張れば独立できんじゃね?」という気運の種を植え付けたことは間違いないと思います。組織論とか地政学とか好きな私としては、かなり面白い考察でした。

 

 

太平洋戦争の大嘘

太平洋戦争の大嘘

自虐史観とは違った視点で太平洋戦争を知ることができる。どちらかの視点が絶対正しいなんていうことはないです。「幅広い視点で物事を見られるようになっておきたい」という方にオススメ。

 

出版社: ダイレクト出版 (2017/11/1)
ISBN-10: 4866220384
ISBN-13: 978-4866220383
発売日: 2017/11/1

 

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