『あこがれ』を読んだ感想

『あこがれ』を読んだ感想読書
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ミス・アイスサンドイッチとヘガティーと

表紙のサンドイッチのイラストが美味しそうだから選んだ本の中に「ミス・アイスサンドイッチ」という話があってビックリした。

「ミス・アイスサンドイッチ」の話ではヘガティーの考え方が大人だなぁと思った。ミス・アイスサンドイッチに淡い恋愛感情を抱いた麦のことが好きなヘガティー。だからこそ麦からミス・アイスサンドイッチのことを相談されたら、ミス・アイスサンドイッチの悪口を言うか、「やめておきなよ」と言ってしまいそう。なのにヘガティーは止めるわけでもなく、麦の想いが昇華できるように行動に促す。奪うのではなく寄り添うことを優先した考え方が好感が持てた。

「誰かにあしたまた会えるのは、会い続けてるからに決まってるじゃん。」っていう台詞、言われてみるとなるほど確かにそうだなぁと感じた。

そんな大人な対応ができるヘガティーの日常をかき乱す事件が「苺ジャムから苺をひけば」の話で勃発。父親には前妻とその娘がいたという事実。自分の中で折り合いをどうやってつけていいかわからず葛藤しながら、不器用なやり方ではあるけど必死で乗り越えていく姿が、なんかいいなと思った。この話の中では、記憶がないくらい幼い頃に母親を亡くしたヘガティーが、大人への階段を一段のぼっていく。人が成長する姿って、物語とわかっていても惹きつけられるものがある。

そして、ここまでわかりやすい話ではないけれど、毎日を生きる私たちも似たようなことをずっと続けているのかもなぁと。私の中では成人しても、不惑と言われる歳を迎えても達観する気配は微塵もない。何が正解かもわからないし、そもそも正解なんてあるかどうかも怪しげ。そんな状況ではあるけれど、色々なことに折り合いをつけながら生きていくしかないな、という感じ。

それにしてもヘガティーとか、チグリスとか、ドゥワップとか麦くんのニックネームセンスが光っていたなぁ。

 

 

あこがれ

『あこがれ』を読んだ感想

自分が小学生の頃、どんなこと考えてたっけなぁ・・・。そんなことを思い出させてくれる物語でした。

 

単行本: 248ページ
出版社: 新潮社 (2015/10/21)
言語: 日本語
ISBN-10: 4103256249
ISBN-13: 978-4103256243
発売日: 2015/10/21

 

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